この男が好きで好きでしょうがないってことはずっと分かってる。分かってるけど、そんなに自分をいっぱい泣かせることは知らなかった。知るどころか、想像さえつかなかった。だって自分はそんなふうに人を好きになること、前には一度もなかった。
昨夜その男の優しい声を聞いたせいか、「大丈夫」って、人を安心させた声を聞いた瞬間涙が出てきた、声を上げたいぐらい泣きたくなって何がなんだか分からなくなった。いったいなんでだろう?何で声を聞いただけで自分はそんなみっともない姿になるんだ!似た感じのあの日のことを思い出して、余計わからなくなってしまった。
迷っていたまま、私はドラマを聴きながらベッドから降りて、廊下まで行って顔を上げて、目に見えたのは星空。星があるんだなぁ、少々感動した。いつの間にか私は顔を上げないようになった。高校、大学、前の職場もみんな星の見えない空だもんなぁ、顔を上げても真っ暗なだけ、それとも、自分が気づいてなかっただけなんでしょうか?
ただ、「三木眞一郎」という名の男に術をかけられた自分、もう一度痛むほど実感した。
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